kintoneの開発費用はいくらかかる?10万円〜300万円超の事例とコストを安く抑える「賢い発注法」を徹底解説
- TOKYO DIGITAL 木戸

- 1月11日
- 読了時間: 10分
更新日:1月18日
「kintone(キントーン)でシステムを作りたいが、開発費用がどれくらいかかるのか見当がつかない」 「見積もりを取ったら会社によって金額がバラバラで、適正価格がわからない」 「予算が限られている中で、どこまで要望を実現できるのか知りたい」
kintoneの導入や活用を進める中で、多くの担当者がぶつかるのが「開発費用」の壁です。
一般的なシステム開発であれば「販売管理システムなら〇〇万円」といった相場がありますが、kintoneは「ノーコード・ローコードツール」という特性上、「誰が」「どこまで」「どのように」作るかによって、費用が0円にもなれば数百万円にもなるという特殊な性質を持っています。
本記事では、kintone開発のプロフェッショナルな視点から、開発費用の仕組みと、具体的な5つの価格帯別(10万円〜300万円超)の開発事例、そして「機能を多少あきらめてコストを下げる」という現実的なテクニックまで、kintoneの費用対効果を最大化するための情報を包み隠さず解説します。
1. なぜkintoneの開発費用はこれほど「ピンキリ」なのか?
具体的な金額の話に入る前に、まずkintone開発の費用の仕組みを理解しておく必要があります。これを知らないと、提示された見積もりが高いのか安いのかを判断できません。
「標準機能」か「カスタマイズ」か
kintoneは、大きく分けて2つの作り方があります。
標準機能(ノーコード): ドラッグ&ドロップでアプリを作る方法。プログラミングを行わないため、**費用は最も安く(あるいは社内でやれば0円)**済みます。
カスタマイズ(ローコード/プロコード): JavaScriptなどのプログラムを書いたり、外部のプラグイン(拡張機能)を導入したりする方法。kintoneの標準機能ではできない複雑な画面表示や自動処理が可能になりますが、専門的な技術が必要となり、開発費用が発生します。
「内製(DIY)」か「外注(アウトソース)」か
kintone最大の特徴は、システム会社に頼まなくても自分たちで作れる(内製できる)点です。
完全内製: 社員が作る。外部費用は0円(人件費のみ)。
部分外注: 難しい部分だけプロに頼む。費用は数万〜百万円前後。
完全外注: 要件定義から実装まで全て任せる。費用は数百万円以上。
「どこまで自分たちでやるか」という線引きこそが、kintoneの費用を決める最大の変数なのです。
2. 【0円〜数万円】まずはここから!アカウント利用料だけでできること
「開発費用をかけたくない」という場合、kintoneは最強のツールになります。なぜなら、スタンダードコース(月額1,800円/1ユーザー ※記事執筆時点)の契約さえあれば、追加費用なしで驚くほど多くのシステムを作れるからです。
標準機能だけで作れるアプリ例
以下のレベルであれば、外部への開発依頼は不要です。kintoneの基本機能を学ぶだけで、社内で作成可能です。
顧客リスト・名刺管理: 会社名、担当者名、連絡先などを管理し、検索できるようにする。
案件管理(SFA): 商談の進捗状況、受注予定日、見込み金額などを一覧化し、グラフで可視化する。
タスク管理・ToDo: 誰が、いつまでに、何をやるかを管理し、リマインダー通知を送る。
日報・報告書: 外出先からスマホで活動報告を入力し、上司がコメントでフィードバックする。
「無料プラグイン」で機能を拡張する
「標準機能だけでは少し物足りない」という場合でも、すぐに開発を依頼する必要はありません。世の中には有志やベンダーが提供している「無料プラグイン」が数多く存在します。
これらを活用すれば、プログラミング開発なし(=開発費0円)で以下のような機能追加が可能です。
入力画面の項目を条件によって非表示にする
住所から地図を表示する
一覧画面で見やすく色付けをする
添付ファイルをダウンロードせずにプレビューする
まずは**「標準機能+無料プラグイン」でどこまでできるか試すこと。** これがkintoneのコストを抑える鉄則です。
3. 【事例で見る】kintone開発費用の相場と5つのパターン
ここからは、実際に外部へ開発や支援を依頼した場合の具体的な費用感と内容を、5つのパターンに分けて解説します。 自社のやりたいことや予算感に近いものはどれか、シミュレーションしてみてください。

【開発例1】初期導入・基本設定パック:10万円〜
「IT担当者がいないので、最初の土台作りだけ頼みたい」
kintoneを契約したものの、何から手を付けていいかわからない企業向けのスタートアップ支援です。
費用: 10万円前後
内容:
環境設定: ユーザー登録、組織図作成、セキュリティ設定(アクセス権限など)。
標準アプリ作成: テンプレートを活用し、タスク管理や顧客管理など基本的なアプリを2〜3個作成・調整。
操作レクチャー: 管理者向けの基本的な使い方の説明。
メリット:
導入直後の「設定につまずいて放置」を防げる。
セキュリティ設定などのミスを防ぎ、安心してスタートできる。
【開発例2】スポットカスタマイズ開発:20〜30万円
「ここだけ技術的に無理!プログラムだけ書いてほしい」
ある程度kintoneの知識がある企業向けの「賢い」依頼方法です。アプリ作成や基本設定は自社で行い、JavaScriptが必要な高度な処理だけをピンポイントで発注します。
費用: 20〜30万円
内容:
アプリ構築: 自社(お客様)で実施。
要件整理: 「ボタンを押したら、Aアプリのデータを集計してBアプリに転記する」といった仕様を自社で整理。
開発範囲: 上記仕様に基づいたプログラム開発と実装のみを外部委託。
メリット:
圧倒的に安く済む。
技術的に詰まっていた部分だけを解消できる。
【開発例3】伴走支援型開発:60万円〜(3ヶ月目安)
「プロと一緒に作りながら、自社にもノウハウを残したい」
近年、最も人気があり、かつコストパフォーマンスが良いのがこの「伴走支援(準委任契約)」パターンです。システムを丸投げするのではなく、プロのエンジニアと貴社の担当者がチームを組み、定期的な打ち合わせ(週1回など)を行いながら開発を進めます。

期間・費用: 月額20万円 × 3ヶ月 = 合計60万円〜
内容:
プロトタイプ開発: 要望を聞きながら、その場でkintoneアプリを作成・修正。
アドオン選定: 「やりたいこと」に合わせて最適なプラグインや連携サービスを選定・設定。
カスタマイズ開発: 標準機能ではできないJavaScript開発も、時間内で対応可能な範囲で実施。
メリット:
仕様変更に柔軟に対応できる(走りながら考えられる)。
社内担当者がkintoneのスキルを習得できる(=将来の内製化につながる)。
3ヶ月で形にして、その後は必要に応じて「保守契約」や「スポット依頼」に切り替えられる。
【開発例4】中規模システム開発:100万円〜200万円
「業務に合わせた専用アプリをしっかり作り込みたい」
kintoneの標準機能をベースにしつつ、業務フローに合わない部分はJavaScriptカスタマイズで調整し、実用性の高いシステムを構築するパターンです。 この価格帯は、フルスクラッチ開発(数千万円)に比べれば安価でありながら、kintoneの標準機能だけでは実現できない「かゆいところに手が届く」自動化や効率化を実現できるため、費用対効果が非常に高い「スイートスポット」と言えます。
期間・費用: 3〜5ヶ月 / 100万円〜200万円
内容:
要件定義: 業務ヒアリングを行い、アプリ構成を設計。
アプリ構築: 複数のアプリを連携させたシステム構築(例:案件管理+見積作成+請求管理)。
カスタマイズ: 画面レイアウトの変更、複雑な自動採番、条件による入力制御など。
帳票出力: プリントクリエイター等のプラグイン設定。
メリット:
現場が使いやすい、オーダーメイドに近いシステムができる。
Excel管理からの脱却(DX)を確実に進められる。
【開発例5】フルスクラッチ級・高機能開発:300万円以上
「基幹システム並みの機能をkintoneで実現し、全てお任せしたい」
要件定義から開発、テスト、導入支援まで、従来のシステム開発(SI)と同じフローでしっかりと作り上げるパターンです。販売管理や在庫管理など、複雑な計算や厳密なデータ整合性が求められる業務が対象になります。
期間・費用: 6ヶ月〜 / 300万円以上
内容:
高度な要件定義: 複雑な業務フローの整理とシステム設計。
高度な開発: 大量データのバッチ処理、外部システム(基幹システムや会計ソフト)とのAPI連携、独自UI(ユーザーインターフェース)の開発。
アドオン・連携サービスの選定と実装: krewSheet(Excelライク入力)やkrewData(データ集計)、トヨクモ製品などの有料サービスをフル活用した構築。
メリット:
既存のオンプレミスシステムからの完全移行が可能。
丸投げ(お任せ)に近い形で依頼できる。
注意点:
コストが高くなるだけでなく、kintoneの柔軟性(後から簡単に直せる良さ)が失われやすいため、慎重な検討が必要です。
4. 開発費用と工期を圧縮するテクニック:「あきらめる」勇気
ここまで事例を見てきて、「思ったより高いな」と感じた方もいるかもしれません。しかし、kintone開発には費用を劇的に下げる魔法があります。 それは、**「kintoneの仕様に業務を合わせる(Fit to Standard)」**ことです。

要件を「ドロップ」してコストを下げる
スクラッチ開発(0からコードを書く開発)では、「今の業務フローを100%再現すること」が正義とされがちです。しかし、これをkintoneでやろうとすると、大量のカスタマイズが必要になり、費用は跳ね上がります。
コストを抑えるためには、以下の判断が重要です。
「必須(Must)」と「歓迎(Want)」を分ける: 「あったら便利」程度の機能は開発範囲から外す(ドロップする)。
標準機能で妥協する: 「画面の見た目が今までと違う」という不満に対しては、「kintoneの標準仕様だから」と割り切り、業務のやり方を変えてもらう。
運用でカバーする: システムでガチガチに制御するのではなく、「ここは手動で入力する」「運用ルールで縛る」ことで、プログラム開発を減らす。
このように、「カスタマイズ開発の量を減らす」「アドオン(有料プラグイン)を減らす」 ことができれば、工期は短くなり、結果として費用も数十万〜百万円単位で圧縮できる可能性があります。
プログラム開発を避けて「有料プラグイン」を使う
「カスタマイズ開発(プログラミング)」は、作る費用だけでなく、kintoneのアップデートに対応するための「保守費用」も将来的に発生させます。
これを避けるために、**「開発せずに有料プラグインで解決する」**という選択肢も有効です。 月額・年額のランニングコストはかかりますが、初期開発費数百万をかけるより、月額数千円〜数万円のプラグインを契約したほうが、トータルコストが安く、かつ機能追加やメンテナンスの手間がないケースも多々あります。
5. 失敗しないためのパートナー選びと見積もりのポイント
最後に、kintone開発を外部に依頼する際に失敗しないためのポイントを整理します。
「開発会社」ではなく「パートナー」を探す
kintone開発において、「仕様書通りに作るだけ」の会社はあまりおすすめしません。kintoneの強みも弱みも熟知しており、 「その機能なら、開発せずに標準機能でこう工夫すればできますよ」 「それなら、このプラグインを使えば安く済みますよ」 といった、「開発しない提案」をしてくれるパートナー(伴走支援型) を選ぶのが成功の鍵です。
見積もり依頼時のチェックリスト
見積もりを取る際は、以下の情報を整理しておくと、より精度の高い(そして無駄のない)金額が出てきやすくなります。
現在の業務フローと課題: 「何に困っていて、どうなりたいか」
予算感(松竹梅): 「MAXでいくらまで出せるか」「最低限これくらいで収めたい」
内製の可否: 「アプリ作成や画面修正は自分たちでやる意思があるか」
こだわりの強さ: 「kintoneの標準仕様に合わせて業務を変えられるか、今の見た目を再現したいか」
まとめ:数十万円からでもOK!予算に合わせた最適なスタートを
kintoneの開発費用は、「自分たちでどこまでやるか」と「どこまでkintoneの標準に合わせるか」で大きく変わります。
アカウント利用料のみ: 簡単なタスク・顧客管理(DIY)
10万円〜30万円: 初期設定やスポット開発
60万円(伴走支援): プロと一緒に作りながらノウハウ蓄積
100万円〜200万円: しっかりとした業務アプリ構築
300万円以上: 要件定義からお任せのシステム開発
いきなり数百万円の予算を組んで大規模開発をするのではなく、まずは標準機能や数十万円のスポット開発、あるいは伴走支援を活用してスモールスタートするのも非常に賢い選択です。
私たち(TOKYO DIGITAL)は、100万円〜200万円規模の本格的な開発はもちろん、数十万円からの「ちょっとしたお悩み解決」や「スポット開発」も大歓迎です。 「予算はこれくらいなんだけど、何ができる?」といったご相談でも構いません。まずは貴社の課題をお聞かせください。






コメント