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kintoneとソラコム温度センサーで安価にIoTシステムを実現 ~1台1万円台から始める、現場のスマート化~

12 時間前
読了時間: 8分

「IoTを使って現場を見える化したい。でも、専用システムを組むと数百万円かかると聞くし、うちには難しいかもしれない」そう感じてIoT導入を見送ってきた企業は、実はとても多いです。


しかしここ数年で、IoTはもう「大企業だけのもの」ではなくなりました。ソラコム(SORACOM)のIoTデバイスと通信SIM、そして多くの企業が既に導入している業務改善プラットフォーム「kintone」を組み合わせれば、1台1万円台のデバイスと、月々数百円〜数千円の通信費で、温度・湿度・位置情報を可視化するIoTシステムを構築できます。


本記事では、TOKYO DIGITALがこれまで提案してきたSORACOM×kintoneのIoTパッケージ構成をもとに、「安価に、素早く、現場に定着するIoT」の作り方を解説します。


この記事でわかること

・ソラコムの主要デバイス・SIMの概要と選び方

・温度・湿度・位置情報を業務に活かす方法

・kintoneとSORACOM Lagoonを組み合わせた可視化の仕組み

・業種別のユースケースと、始めやすい構成イメージ

・ソラコムとデバイス、通信SIMの概要



ソラコムとは


ソラコム(SORACOM)は、IoT向けクラウドプラットフォームを提供している国内発のIoTプラットフォーマーです。特徴は次の3点に集約されます。


IoT専用のセルラー通信SIMを月額数百円〜で利用できる

センサー・カメラ・GPSトラッカーなどのIoTデバイスをIoTストアで購入できる

収集したデータを蓄積・可視化・他システム連携するためのクラウドサービス群が揃っている。つまり、「デバイス」「通信」「クラウド」までを一体で調達できるのがソラコムの最大の魅力です。個別に組み合わせようとすると難しい要素を、ワンストップでそろえられます。


GPSマルチユニット SORACOM Edition
GPSマルチユニット SORACOM Edition

代表的なデバイス「GPSマルチユニット SORACOM Edition」

TOKYO DIGITALのIoTパッケージで中核に据えているのが、このGPSマルチユニット SORACOM Editionです。


項目 内容

価格 約12,100円(スターターキット、SIM付き)

サイズ・重量 約83×49×13.8mm/約63g

通信 LTE-Cat.M1(低消費電力・全国LTEエリア)

バッテリー 内蔵1,500mAh、microUSB充電

内蔵センサー 温度・湿度・加速度

測位 GPS/GLONASS/QZSS

動作温度 -20〜60℃(バッテリー使用時は5〜35℃)

1台に温湿度センサー・加速度センサー・GPSが載って約1万円台。

これがソラコムのIoTソリューションが「安価に始められる」と言われる最大の理由です。


シガーソケット型GPSトラッカー(RT299)や、OBD接続の車載GPSトラッカー(T366)、電池駆動の防塵防水デバイスなど、用途に応じて選べる周辺デバイスもIoTストアに揃っています。


通信SIM(plan-D)の概要

IoTデバイスをネットに繋ぐ通信は、専用のSORACOM IoT SIMを使います。


プラン 月額 通信量 特徴

plan-D(D-300MB) 約330円/月〜 従量課金 少量データのIoTに最適

plan-D(D-500MB) 550円/月〜 従量課金 バランス型

plan-KM1(LTE-M専用) 100円/月〜 従量課金 超省電力デバイス向け

温湿度や位置情報のように送信データが小さいIoT用途では、月々数百円で運用できるケースがほとんどです。従量課金で無駄なコストが発生しにくいのも特徴です。


システム構成図:センサー→通信→SORACOM→kintone



温度・湿度・位置情報の取得と、その応用

ソラコムのGPSマルチユニットは、指定した間隔で温度・湿度・位置情報などを自動送信できます。デフォルトでは10分間隔での定期送信ですが、要件に合わせて数分〜1時間の範囲で調整できます。


このデータを、業務にどう活かすかがIoT活用の要です。ここでは、TOKYO DIGITALが実際に提案しているユースケースを紹介します。



ユースケースイメージ:車両・冷蔵倉庫・農業・工場


1. 車両管理・車両トラッキング

社用車、営業車、配送車の位置情報をリアルタイム把握

走行履歴・稼働率の見える化

現場直行・直帰の証跡管理、日報自動化

加速度センサーで急ブレーキ・急発進を検知して安全運転指導にも活用可能


2. 冷蔵・冷凍倉庫、コールドチェーン

冷蔵庫内・冷凍庫内の温度を常時監視

設定温度を超えたら自動アラート通知

HACCP対応のための温度記録の自動保存

医薬品・ワクチン・生鮮食品輸送での温度証跡


3. 農業・ビニールハウス管理

ハウス内の温度・湿度を遠隔監視

異常時のアラートで作物へのダメージを最小化

生育環境のログを作物ロットと紐付けて品質向上に活用


4. 工場・店舗の環境監視

サーバールーム、機器室、電気室の温度監視

店舗の冷蔵ショーケース、バックヤードの温度管理

加速度センサーで機器の振動を測定して予兆保全に応用


5. 資産・在庫のトラッキング

高額備品や工具の持ち出し管理

物流パレット・返却容器の位置追跡

レンタル資産の稼働状況把握


なぜkintone連携が効くのか

これらのデータは、SORACOM単体でも可視化できます。しかし多くの中小企業では、顧客管理・案件管理・日報・タスク管理はkintoneに集約しているというケースが多いです。


そこで、「センサーデータ×既存の業務データ」をkintone上で一元的に扱えるようにすることで、IoTデータが単なるグラフではなく、業務判断に直結する情報に変わります。


kintone連携をLagoonと組む

ここからが本記事の中心テーマです。SORACOMからkintoneにデータを連携する方法と、SORACOM Lagoonによる可視化を組み合わせた構成について解説します。


全体アーキテクチャ

構成はシンプルにこの5層で整理できます。


Copy[GPSマルチユニット]

↓ LTE-M/4G

[SORACOM SIM]

↓ SORACOM Unified Endpoint

[SORACOM Cloud]

├─ SORACOM Harvest Data(データ蓄積)

├─ SORACOM Lagoon(ダッシュボード)

└─ SORACOM Funk(外部連携)

↓ Webhook / Lambda

[kintone アプリ]

↓

[Kマッププラグイン等でマップ可視化]

各コンポーネントの役割

SORACOM Harvest Data

IoTデバイスから送られてくるデータを蓄積するサービスです。時系列データを保存し、後述のLagoonから参照します。デバイスからのアップロード3,000イベント/日までは無料枠。それ以上は¥0.11/event(参考値)で従量課金。


SORACOM Lagoon

Harvestに溜まったデータをダッシュボードで可視化できるサービスです。温度・湿度・位置情報の推移を折れ線グラフやマップで表示し、閾値を超えたらアラートメールを送るといった簡易的なオペレーション監視を、コードを書かずに構築できます。


現場責任者や店舗マネージャーには、まずLagoonダッシュボードを共有するだけで日々の運用は回ります。


SORACOM Funk

デバイスから来たデータを、AWS Lambdaなどのクラウド関数に転送するサービスです。ここがkintone連携の要になります。


SORACOMからkintoneへの連携方法

kintone連携の実装パターンは、主に次の2つです。


パターンA:SORACOM Funk + AWS Lambda + kintone API

最も自由度の高い構成です。


デバイスからのデータをSORACOM Funkが受ける

FunkがAWS Lambda関数を呼び出す

LambdaがデータをkintoneのREST APIに送信して1レコードとして登録

メリット


データ加工・条件分岐が自由自在

複数kintoneアプリへの振り分けも可能

認証・エラーハンドリングを丁寧に組める

必要な作業


AWSアカウント準備・Lambda関数作成

kintone側でAPIトークン発行・受信用アプリ準備

SORACOM側でFunk有効化・認証情報登録

パターンB:kintone Webhook + サードパーティ連携ツール

簡易的に始めるなら、SORACOM側の外部連携をkintone Webhookに向ける方法もあります。データ加工が少ない場合はこちらの方が構築が早いです。


kintone側の作り込み

kintone側では、次のようなアプリを用意します。


アプリ 用途 主なフィールド

センサーデータ受信アプリ 生データを1レコードずつ受信 日時、デバイスID、温度、湿度、緯度、経度、加速度

機器マスタ センサーと拠点/車両/機器を紐付け デバイスID、設置場所、担当者、閾値

アラート履歴 閾値超過や異常検知のログ 発生日時、デバイス、内容、対応状況

さらに、Kマッププラグインなどの地図表示プラグインを組み合わせれば、kintone上で車両や資産の位置を地図表示できます。既存のkintoneアプリ(案件管理、日報、車両台帳)と紐付ければ、「今どこの車が、どの案件を、どんな温度環境で運んでいるか」まで一気通貫で見える化できます。


LagoonとkintoneをどうLagoonとkintoneをどう使い分けるか

同じデータをLagoonにもkintoneにも流すことで、次のような役割分担ができます。


用途 使うツール

リアルタイムの環境監視・大画面のダッシュボード SORACOM Lagoon

閾値超えのアラート通知 Lagoon or kintone通知/プラグイン

業務データ(案件・顧客・車両台帳)との紐付け kintone

集計・レポート・過去分析 kintone(プラグインやAPI連携)

現場担当者への日常運用画面 Lagoonダッシュボード共有URL

Lagoon=モニタリングビュー/kintone=業務データベースという役割分担で構成すると、開発コストを抑えつつ現場で使える仕組みになります。


参考:スモールスタート構成の費用例

10台のGPSマルチユニット SORACOM Editionで社用車の管理を始める場合の目安です。


項目 単価 数量 概算

GPSマルチユニット(スターターキット) ¥12,100 10 ¥121,000

SIM plan-D(D-300MB) ¥330/月 10 ¥3,300/月

SORACOM Harvest Data 3,000イベント/日 無料枠 - 0円〜

SORACOM Lagoon(Free/Maker) 0〜¥1,980/月 1 0〜¥1,980/月

kintone(スタンダードコース) ¥1,800/user/月 5 ¥9,000/月

Kマップ等のプラグイン ¥5,000〜/月 1 ¥5,000〜/月

初期費用は約12万円、月額運用費は約2万円前後から始められるイメージです。開発費を除いた素の構成なら、専用の車両管理SaaSと同等かそれ以下のコストで、より柔軟な業務連携が可能です。


まとめ


ソラコムのIoTデバイスとkintoneを組み合わせるアプローチは、IoTを「難しい特別なもの」から「業務改善の延長線」に変えるやり方です。


本記事の要点

GPSマルチユニット SORACOM Editionは1台約1万円台で温度・湿度・位置情報が取れる

SIMは月額約330円〜、通信データが小さいIoT用途では十分

SORACOM Harvestでデータ蓄積、Lagoonでダッシュボードを素早く構築

SORACOM Funk+Lambdaでkintoneに業務データとして連携

車両管理、コールドチェーン、農業、工場、店舗など業種を選ばず適用可能

初期十数万円・月2万円前後の水準からスモールスタート可能

IoT導入で失敗しやすいポイントと回避策

「全部やろう」としない:まずは1拠点、1車両、1冷蔵庫から

業務データとつなぐ:ダッシュボードで終わらせず、kintoneの既存アプリに紐付ける

運用担当を決める:アラートが飛んでも見る人がいなければ意味がない

通信・費用構造を把握:従量課金の想定通信量を事前に計算しておく

TOKYO DIGITALでは、このSORACOM×kintoneのIoTパッケージを、「小さく試して、効果が出たら段階的に広げる」方針で導入支援しています。


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