お客様事例:埼玉大学教育学部附属中学校様 「kintoneと開発伴走支援で、学校組織でも安心して運用できる校務システム活用」

1947年創立、1951年に現在の校名となった埼玉大学教育学部附属中学校は、一般の公立中学校と同様の教育を行いながら、教育実習の受け入れ、教育研究の実証、県内中等教育への協力という役割も担う国立大学附属の研究校です。教員28名、事務職員7名、生徒数約450名という体制の中で、日々の学校運営に加え、附属校ならではの研究・実習対応も求められています。
そうした環境のなかで同校が進めてきたのが、kintoneを活用した校務支援システムの構築です。今回の取材で見えてきたのは、単なるデジタル化ではなく、時間のかかる煩雑業務の効率化:手作業、転記、待ち時間をどう減らし、教育に向き合う時間を最大化していくという取り組みでした。そこを支えているのが、kintoneの柔軟性と、TOKYO DIGITALによる開発・保守・伴走支援です。システムの管理を中心的に担っている吉田先生にお話を聞きました。
【導入前の課題】
限られた作業端末、手作業の集計、紙の台帳が校務負担を大きくしていた。
kintoneによる校務システム導入前は、成績処理などの業務が限られた端末でしか行えず、教員が順番を待ちながら入力する状況がありました。インタビューでも「今までは専用ソフトの入ったパソコンを数台並べて、そこに個人で入力に行くようなやり方をしていた」とのことでした。必要なときに必要な人がすぐ使えないこと自体が、大きな非効率になっていました。
また、出欠席や成績の処理では、手書き、Excelでの集計、別システムへの転記などが多く、確認や修正にも時間がかかっていました。出席簿と他データの連動がなく、学期末には集計や入力作業が教員の負担になっていたとのことです。
会議室など外部団体に施設を貸し出す際の校内施設予約の確認も紙ベースで行われており、情報を見に行くためだけに移動が必要でした。さらに、附属校は自治体の教育委員会配下ではないため、標準システムが自動的に整うわけではありません。学校独自で仕組みを選び、運用し、改善していく必要がある点も大きな特徴です。

【導入の経緯】
パッケージではなく、学校の実情に合わせて育てられる仕組みを選択。
そうした課題に対して同校が選んだのがkintoneでした。背景には、大学でサイボウズ製品の利用実績があったことに加え、kintoneであれば、学校独自の業務に合わせて柔軟に設計・改善できる点がありました。研究校としての役割や附属校ならではの運用は、一般的なパッケージ製品だけでは収まりきらない部分も多くあります。現場で使いながら調整し、必要に応じて機能を足していけることが重要でした。
実際に、出欠席管理、通知表、指導要録、生徒名簿、健康診断結果、施設予約など、校務に必要な業務を段階的にkintoneへ集約。マスターデータを軸に複数アプリを連携させながら、現場で使える形へと整備してきました。
一方で、柔軟な仕組みは運用負荷も伴います。学校内に専任のIT部門があるわけではなく、担当教員が授業や校務の合間に構築や修正に向き合う状況もありました。「膨大な時間を使って、ひたすらプログラムを理解するのにすごく時間を使った」とも吉田先生も語られており、学校組織がITの仕組みを独自で運用・活用していく負担の大きさが伝わります。
そこで重要な役割を果たしたのが、当社の伴走支援でした。必要な修正やカスタマイズ、保守を外部から支えることで、教員の皆さまが本来の授業や生徒対応に集中しやすい環境を整備。学校側からは「自分が別のことをやってる間に修正をしていただけているのは、すごくありがたい」という声もあり、単なる外注業者ではなく、継続運用を支えるパートナーとして評価いただいていると感じました。

【導入後の変化】
“一度入力した情報がつながる”ことで、校務の正確さとスピードが向上
現在は、生徒名簿をマスターデータとして管理し、出欠席、通知表、指導要録、表彰記録などへ連携する運用が定着しています。これにより、何度も同じ情報を入力し直す必要が減り、転記ミスも抑えられるようになりました。特に学校業務では、生徒氏名の漢字や出欠情報など、細かな誤りも許されません。「生徒名簿を一個登録すれば、全部に同じ情報が流れて絶対間違いがない」とのことで、導入効果を象徴するご意見もいただいています。
また、教員がそれぞれ自席から同時にアクセスできるようになったことで、以前のような入力待ちが解消されました。「全員が一気にアクセスできるので、とにかく楽になったというのが一番大きかった」というコメントの通り、業務ピーク時のストレスや待機時間が減り、校務全体の流れもスムーズになっています。
出欠席などの日々の入力がそのまま集計につながるため、月次・学期末の集計作業も大幅に軽減されました。既存事例でも、従来システムに比べて約10分の1の費用で、教員が自席から入力できる効率的な校務環境を実現したとされています。
さらに、施設予約や校内情報共有もデジタルで確認できるようになり、会議も「集まってから読む」場ではなく、事前共有を前提にした運営へと変わりつつあります。業務のデジタル化が、単なる作業時間の削減だけでなく、学校運営の質そのものにも影響を与えていることがうかがえます。
【今後の展望】
“校務を軽くし、教育に向き合う時間を最大化するために”
今回の取材で印象的だったのは、システム導入の目的が「便利にすること」だけではなく、教員が本来向き合うべき教育活動に時間を集中できるようになる点です。附属校として研究や実習の役割も担う同校にとって、校務を効率化することは教育の質を支える基盤づくりでもあります。
今後は、通知表などの帳票出力の更なる改善や、他業務への機能拡張なども視野に入れながら、より持続可能な運用体制を整えていく考えです。
埼玉大学教育学部附属中学校の取り組みは、学校現場に必要なのは単なる高機能なシステムではなく、現場に合わせて育てられ、安心して回し続けていける仕組みと支援体制であることを教えてくれます。kintoneとTOKYO DIGITALの伴走支援は、その実践例のひとつと言えるのではないかと考えています。





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